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6.クレイの記憶

こんにちは、僕はクレイ・ミルヒ・シュトラウゼンと申します。

今は冒険者として戦士を生業としていますが、元は貴族の出でして・・名前ばかり厳ついので、普段はクレイとしか名乗りません。

出身はシューレス国の南西部の都市、シュトリスです。

当時は僕は、10歳になったばかりでしたので、後で聞いたり調べた話も混ざりますがご容赦下さいね。


父は、シュトリスの領主でした。

当時僕はお坊ちゃんで、厳しいながらも温かい家庭に育ち、今までの半生で最も幸せな時期でした。

もっとも、当時はそんなこと意識しては居ませんでしたけどね。

それが崩れたのは、ある日のことでした。

その日、隣国の軍が国境を超えたのです。

シュトリスは国境から10kmも離れていな街で、相手は騎馬中心の軍で奇襲を掛けてきたので、伝令が着くと間もなく戦端が開かれました。

門を閉じる暇もなく、街に雪崩れ込む敵の騎馬達。

たったの1日で、街は陥落しました。

僕は、従姉妹のシシリーと乳母や女中達と共に、かろうじて城外に逃げました。

街の住人に混ざって、昼夜を問わない逃避行でしたが、街を平らげた敵軍は、更に難民となった町の人々に、追撃を開始しました。

街が攻められた日から丸一日後、後敵兵は難民に追いつきました。

僕たちは、バラバラになって森に逃げ込みました。

その時には、もう女中達とはぐれ、シシリーと二人、茂みに隠れ振るえて居ました。

馬の足音と、ガサガサと茂みを掻き分けながら進む音が近寄ってきます。

恐怖で大声を上げたいのを、必死で我慢しました。

その時、不意に僕の足が誰かに掴まれ、茂みから引きずり出されました。

聞いたことのない言葉で喋る男たち。

シシリーも別の男に捕まって、茂みから引きずり出されようとしていました。

どんなに足掻いても、僕は頭を下に逆さ吊りにされたままで、非力な僕の抵抗は、全くの無意味だと諦めかけました。

そんなとき、その男たちの輪に飛び込んでくる騎兵が!

彼は飛び込むと同時に、敵の騎兵をランスの一撃で叩き落とし、馬に備えていたソードを引き抜くと、一振りごとに敵兵を打倒しました。

彼は、シューレス国でただ一人の剣聖にして、軍団長のプルケル様でした。

もう周りでは、既に戦いが始まっておりましたが、プルケル様は馬を降り、僕とシシリーを片腕ずつで抱き、無事を喜んで下さいました。

その後、一人兵士を僕達に付けて、そのまま副官の方と共に愛馬に跨り前線へと駆けて行きました。

僕の目には、プルケル様が憧れとして、しっかり焼き付いたのでした。


僕達は、生き残った街の人と共に、シューレス国の王都サハノウに向かい、教会のお世話になることになりました。

教会での生活で友人も増え、今もパーティーで一緒のリーシャと知り合ったのもこの頃でした。

残念ながら、シュトラウゼン家はたったの一日で街を落とされた不名誉から、復興すること無く取り潰されてしまいましたが、拾った命、いや救われた命を使って他人を救える騎士となるのが僕の目標です。


そして12年後、22歳になった今、何故かプルケル様はアルブレヒト様と名前を変えて、僕の前にいるのでした。

「クレイ殿、わしの今の名はアルブレヒトじゃ、間違えることの無いようお願いもうす」

まだ始まったばかりでサイドストーリーに行ってしまいました、本編で過去話にするつもりでしたがタイミング的に今出したかったので・・・

ここまで読んで頂きありがとうございます。

誤字脱字矛盾などご気付きの点ありましたらご指摘頂けると助かります。

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