59.毒素
わしじゃ、アルブレヒトじゃ。
わしらはギルドの仲裁手続きに来ておる、両方の街の代表が来ており、非常にピリピリとしたムードでギルドの代表が挨拶を始める。
そういえば、道中出会ったマークとベルも出席しておるが、何か掴んだのかのぅ?
まずは、マークが発表する、
「今回の件は上流に問題が在ると我々は考えました、つまり上流で発生した病気が川を下って、街の人に偶然感染し、それが広がったものと推測するのです。
2つの街は川で隔たれており片方の街だけで、病気が蔓延したとしても、なんら不思議ではないのです。
我々は、川を逆上り調査した所、死んだ動物の死骸が川の流れの中に浮いてました。
こういったものの病気が下流で広がったものと推測します。」
と、言い終わった、
ノボスの街の代表達は小さく拍手をしておったが、エグリス側はそうは行かない。
「予想と推測だけで、証拠がない論外である」
と、荒れに荒れた。
たしかに証拠が一切無いのは、もはや想像でしか無く。
なんとでも言える世界なのじゃな。
そこでローラが口を開いた、
「今回、中毒になった人は川からの距離に関係なく、また煮沸した川の水が飲めて、煮沸した井戸水が飲めない理由の説明になっておりません。
川の流れに着目したのは良いですが、地上の川ではなく地下水に目を向けるべきでしょう」
そこまで話すと、みな口々に話していた事をやめ、ローラが何を言うのか聞き耳を立てておる。
それを確認してからローラは話を続けた、
「今回の毒の正体はこちらです。」
と、瓶に入った石ころを出す、薄い金色に見える斑の入った石だった。
「これは、黄銅鉱と言ってこの国で昔採掘されていたものです、つまり上流には銅山があったのです。
理由は分かりませんが、もう閉山されているようでしたけど。
その銅山は新しい坑道を掘る時に、掘り終わった坑道に加工後の残りカスや鉱滓を詰め込んで、その新しい坑道が掘り尽くされると、更に新しい坑道をと拡張していきました。
閉山後、大量の加工後の残りカスや鉱滓が詰め込まれた廃鉱だけが残りました。
それから長い年月が経ち、最近落盤によって川の水が、坑道に流れ込む様になりました。
水は鉱滓の間を浸透しながら毒素を含み、そのまま地下水に流れ込みました。
鉱山内部に調査に行った時、流れる水から落ち葉を採取しております、この落ち葉はまだ完全に枯れず緑の部分があったことから、川の水が直接流れ込んでいる証拠になります。
また、川の上流に川底に陥没し流れ込んでいる箇所があることも確認済みです。
金属毒に汚染された井戸は、今後も使えない見通しです。」
エグリスの街の代表たちは反論を期待していたのに、まさかのトドメを刺されてガックリと肩を落とした。
また、あまりに悲惨な結果を伝えられたノボスの代表も先ほどのマークの発表の後ほど喜べないでいた。
しかし、エグリスとノボスの街は和解し、直近の危機は回避されたのだった。
わしらは、ギルドから多額の報酬を受けとったが、その代わりにこの街にユニコーンの角を置いて行く事にしたんじゃ。
書き直ししました、銅鉱石って事で・・
誤字脱字など有りましたら、お知らせて頂けると幸いです。




