49.エルフ
わしじゃ、アルブレヒトじゃ。
エルフの村に到着して、わしが最初に感じたことは、歓迎されとらんのぅ、と言うことじゃった。
もちろん、歓迎会や出迎えは期待してはおらんかったが、警戒と好奇の目に晒されて、良い思いはせんじゃった。
人間も少なからず居るはずじゃが、どうもエルフとは、仲良く出来てはおらぬようじゃな。
エルフの村は木の上にあり、彼らはハシゴもなく器用に枝とツタだけを使い登っていく、わしらはリーシャが最初に登りロープを降ろしてもらわねば、登れ無かったのじゃ。
大木のウロに作られた部屋に案内され、族長もしくは村長と思われる、とにかく一番偉いエルフが現れ挨拶をしたのじゃった。
「ようこそ、XXXXX村へ。今日はここで一泊し、明日案内を付けるので、明日朝その者と発たれるがよかろう」
村の名前は聞き取れんかったが、要するに案内を付けてくれる、明日出発、歓迎はしてない、と言うことじゃな。
色々と聞きたいことはあるが、こう構えられると聞きにくいのじゃ。
「夕ご飯はでるんすか?」
フィリスが聞く、凄なお前、このピリピリした雰囲気でそこ聞けるとは・・
「用意させましょう」
と静かに答えると、
「他に無いようでしたら私はこれで」
と立ち去ってしまった。
妖精のドナは、気を使ってか、
「悪い人たちじゃ無いんですよ、普段はもっと人が良いんですよ」
とフォローしておる。
「何か、あったのかのぅ」
と、わしがボソッと言うと、
ドナは、顔を伏せながら
「わたしが悪いのかもしれません・・」
と語り始めた。
ドナは、昔は人見知りしない、元気な妖精じゃったそうな。
誰とでも話が出来て、神の意志を伝えるよく出来た姉がおり、将来は同じように働きたいと、皆と一生懸命仲良くなろうとした。
しかし、中には警戒すべき者も居る、それが分かっておらんかった。
彼女は、迷い込んで入ってきた人間に拐かされて、わしらの世界に連れてこられておったそうじゃ。
そして、商人に売られたが、商人が油断した隙に檻カゴから抜け出し逃げたのじゃ。
それからは、人から、魔物から、動物から逃げ惑い、妖精の道を探し出し、なんとか戻ってきたそうじゃ。
だから神様に会ってお詫びをしないといけないのだとも。
ドナが、最初怯えて近寄って来なかった事を、わしらは思い出しおった。
悪いのはドナじゃない、でもドナは神様に許されるまでは、自責の念に囚われているのだろう。
翌朝、わしらは二人の屈強なエルフのエスコートで、神様の元を訪れるべく、村を出発するのじゃった。




