48.湖
わしじゃ、アルブレヒトじゃ。
わしはシシリーに回復魔法を掛けてもらい、なんとか生きておる。
まだ右肩は潰されたせいで感覚が鈍く、動くとめちゃくちゃ痛いのじゃが、なんとか歩くのは出来る。
しかし、とりあえずは今日はここで休む事にしたのじゃ、、グリフォンの死体に寄ってくる動物を避けるため、1kmほど離れた場所にキャンプする。
焚き火をし、回りを警戒しながら体を休めておった。
幻想郷に入って初日でこれである、もしかしたらここって、かなり危険な場所なのかもしれんのぅ。
人間が少ないってのも、その辺りが原因かのぅ。
クレイは木を削って何か作っておるし、リーシャもロープで何か作っておる。
ローラとシシリーは食事を用意しておって忙しそうじゃ、ミルドはわしに寄りかかってうつらうつらしておる。
「寝ててもよいぞ」
と言うと本格的に寝てしまった、夕飯になるまで寝かせておこう。
フィリスはおそらくペガサスになって、もしかすると生まれてから、一番今日の出来事が恐ろしかったのじゃろう。
珍しく隣に寄り添って甘えてくる、左肩に頭を乗せて焚き火を眺め、ぼんやりしておるだけじゃがの。
「フィリス、よく頑張ったのぅ」
そう言って、頭を撫でてやろうと思ったが、まだ右手は上がらなかったのじゃ。
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翌朝、クレイが背を向け、
「師匠どうぞ」
と言う。
その背には背負子が背負われておった、昨晩クレイとリーシャが作っておったのはこれかっ!
三度わしは、パーティーのお荷物となったのじゃ。
そこから2日かけて湖に付いた、あれからは特に危険なモンスターには会わなかった。
しかし、変わった大きな食虫植物(多分人も食べられそうな)などが居ったりで、ここが元の世界とはやはりちょっと違う。
この日は、湖でキャンプをして泊まる事にしたのじゃ。
翌朝少し冷えて、霧がたちこめて幻想的な風景じゃ。
今日は、湖の回りを一周回る事にした。
水場には自然と人が集まるから、人間の集落が近くにあれば、その痕跡が在ると思って居ったからじゃ。
ぬかるんでいる場所を避けながら進む、辺りをうかがいながら、足あと等の痕跡も探しておった。
捜索は時間がかかり、昼になってもまだ一周終わっておらんかった。
そのときじゃ、森の木々の影から一斉にエルフが弓を構え現れたのじゃ。
「人間達よ、ここに何の用があって入り込んだ?」
どうも、待ち伏せされておったようじゃな。
反射的に構えておった武器から手を離し、
「わしらはちょっとここを通りたいだけじゃ、あとこの妖精の子のを送って行く途中でも在る」
と言った、一人のエルフが木から降りてわしらに近寄ってくると、
「妖精はこちらで送って行く、元来た道を戻って元の世界へ戻られよ」
と言う、
「わしらは出口が解らぬ、元来た道ももう解らぬ、この子の言う神様に出口を教えてもらいに行くのじゃ」
エルフは少し考えて、
「ここで待て、後で使いを寄越す」
と言って引き上げていった。
かなりの時間待たされた、飯も食って昼寝して、武具の手入れをして、そろそろ日が落ちる頃になってようやく使いが来た。
「案内する、付いて来い」
と、木の枝の上を歩き出すから、わしらは上を見ながら、地面に足を取られないように気にしつつ、付いて行ったのじゃ。




