30.魔力炉
わしじゃ、アルブレヒトじゃ。
わしらは魔力炉のある部屋に付いた、今は動いては居ないようで、見張りが数人居るだけじゃ。
魔力炉は想像以上に大きかった、巨大な円柱状の物が立ち並び、デカイ窯みたいなものが有り、それらを様々なパイプが縦横無尽に走りながら繋ぎあわせてあった。
確かに今の技術では、創りだすことも出来そうにない巨大で、精密な遺跡であった。
しかし、そんな事はお構い無しじゃ、わしらはズンズン進み、魔力炉のそばまで来ると、大声で
「メルドとその仲間が来た!、全員この魔力炉がある部屋から外に出ろー、さもなくば炉を破壊する」
と、高らかに宣言した。
現場は騒然となる、
「歯向かうなら炉はこうだ!」
わしが合図すると、フィリスが巨大な工具で円柱状のタンク殴りつける。
ガイイィィィーン!!!
大きな音に、警護の者は慌てて部屋の外に出る。
「お前たち、何が目的だ!」
「わしらは領主に話がある、領主を呼べ!」
もーわしら、まるっきり悪者なのである。
当然ながら領主は来ない、そりゃ領主を呼べば領主が目的だと思うからな。
ここの警備主任が来る。
「おまえじゃ話にならん、領主を呼べー」
ここの守備隊長が来る。
「おまえじゃ話にならん、領主を呼べー」
ここの街の守備隊長がくる。
「おまえじゃ話にならん、領主を呼べー」
遂には、執事長ブナゥが来た。
もちろんその間にも何回か炉をぶん殴ったり魔法の詠唱してみたり、いろいろ脅しておったんじゃけどな。
そうか、ブナゥが来たか。
わしは、執事長ブナゥかぁどうしようか、まぁこのくらいで諦めるかぁ、って雰囲気出しながら。
「じゃーしょうがない、話があるから近くまで寄って来い」
と、扉の近くまで来ることを許し話をする。
もちろん奴は交渉などするものか、アサシンを放つような奴じゃ、奪還作戦までの時間稼ぎじゃろう。
「おぬしが執事長ブナゥかや?」
「そうだ、メルドとその仲間と言うことは、炉を壊せばシューレス国と戦争になるぞ」
「しれたこと」
「喘息のために戦争で死者を出したいのか本末転倒だ、まともとは思えんな」
「戦争になればの話じゃな」
「諦めて抵抗を辞めれば、減刑するも吝かではない」
「口封じに殺すのでは?」
「目的は金か?、イクラあれば諦める」
「目的が金なのはおぬしであろう、ひょひょひょ」
わしと執事長ブナゥの口撃の応酬が繰り広げられておったその時、わし目掛けて暗器が飛んでくる。
アサシンの侵入を許したらしいの、
「クレイ!、フィリス!、敵じゃ!」
わしが飛び道具を避けて扉から離れた隙に、大挙して押し寄せる守備隊。
わしらに勝ち目は無かった。
わしは武器を床に置き両手を上げる、クレイもフィリスもじゃ。
しかし、執事長ブナゥは鋭く、
「殺せ!」
と告げた。




