3.ギルド
わしじゃ、アルブレヒトじゃ。
わしは、愛馬シュバルツ三世に乗り、街道を南にに進んでおる。
馬上でミルドに、これまでの経緯を尋ねる。
村を離れて遊びに出ているところを、奴隷狩りに見つかって攫さらわれたそうだ。
だから、自分の村の正確な位置は、解らないということじゃ。
わしは、元副官であるアルドの娘ミルドを、村まで送っていく事にした。
出来ればアルドにはもう一度会いたい、いや絶対に会わなくてはいけない。
ここから南に進めば、小規模ながら街がある、そこで情報を集め今後を考えるとするのじゃ。
街に着いたのは、夕暮れ時じゃった。
予想外の荷物を乗せた愛馬シュバルツ三世はヘタっておった。
これは、旅のペースを見なおさねばな。
まずはミルドを教会に見せる。
怪我した足は、一応わしの見立てでは、大した事なさそうだじゃったが、専門外じゃからの。
また攫われては困るので、わしも一緒に行く。
神官にヒールを掛けてもらい、足を直して頂く。
もちろん、お布施もちゃんとする。
その後、宿を取りミルドを風呂に入れる。
わしはミルドが風呂に入っている間に、商店に行き、ローブと帽子と杖を買ってきたのじゃ。
ローブで尻尾を隠し、帽子で耳を隠し、杖はおまけじゃ。
魔法使いなら、体が小さくても侮られることはあるまいて。
ミルドは眠そうに目を擦っていたが、遂にウツラウツラとしだす。
子供じゃから仕方ないのぅ。
わしは、ミルドをベットに寝かしつけ、椅子に座り、羊皮紙を取り出したのじゃ。
それは地図じゃった、ここからもう少し南に下るとシューレス国に入る、おそらくミルドの住んでいた村はその辺りじゃろう。
更にずっと南に下ると、東西に街道が伸びる。
それを東に行くと・・・山脈がありそこで地図は切れていた。
もちろん、途中で地図を手に入れるつもりではあったが、目的地ジパングまでの正確な地図は無く、山脈の向うに有るのか、更に先なのか解らない。
未開の地なのじゃ。
翌朝、まずは冒険者ギルドを尋ねる。
依頼内容から、ドレイ狩りをしている場所を推察するためじゃ。
しかし、ギルド未加入の者には、閲覧する権利が無いと言われたので登録をする。
今更、この歳でギルドに登録するなんて、とも思ったがの。
目を皿のようにして依頼書の閲覧し続ける、見れる限りの過去履歴もじゃ。
残念ながらミルドを攫った冒険者はここで雇われた者ではなかったようじゃ。
やはりもっと南かのぅ。
そんな時、わしと同じ長椅子に座り、足をブランブランさせていたミルドに声をかける者が居おった。
わしは、腰に手をやりつつ振り向いた。
「お爺さん達、魔術師ですよね、私達のパーティーに・・」
勧誘じゃった。
しかも、魔法使いだと思って声を掛けたらしい。
まぁミルドが弟子で、わしが師匠のように見えていたんじゃろうな。
腰の物を見るとそやつは「ゴメンナサイ人違いでした」と言いつつ後ずさりしていきおった。
冒険者ギルドで依頼書あさるような駆け出しが、老人で剣士だったらそりゃお断りじゃな。
そこでわしは思いついたのじゃ。
「あーっと、そこのおぬし、うんうん、ちょっとこっちに来るのじゃ」
頭が付きそうな位まで近づいて、わしはこう言った、
「おぬしら、わしに雇われる気はないかの?」
少し短いですが、3話目になります。
大まかなあらすじなんかは考えましたが、こまごまとした所は書きながらノリで書いてます。
ちゃんと完結できるようかんばりますので宜しくお付き合いお願いします。
また、誤字脱字は指摘して頂けると大変助かります。