21.老婆
わしじゃ、アルブレヒトじゃ。
わしとクレイにとって、ローランドまでは、長い長い旅路じゃった。
やっと着いたこの街で、わしらは遅めの夕飯を食べておった。
そこでの話題が、わしらのパーティー編成が、物理に偏りすぎている事じゃった。
わしは若干の期待を込めて、
「フィリスは魔法とか使えぬのか?」
と聞いてみると。
「魔法ですか?、転生でユニコーン選んでたら精神魔法使えたんですけどねぇ、ペガサス選んじゃいましたから使えないっす」
おおうっ惜しい、
「そうか、惜しいのぅ、ユニコーンなら羽も無いから、鞍を乗せて騎乗出来たのに」
と言うと、
「いや、でもあいつらの伝説知ってるでしょう?」
「たしか、処女の膝枕で眠る習性を利用して、捕まえるとかなんとか」
「そう!やつら基本オスなんすよ、魔法使うために性転換とか、イヤじゃないですかぁ」
「そ、そうじゃな」
「それに、もしその時の女が処女じゃなかったら、角で突いて殺すらしいですよ、もう行動がモンスターのそれですからね」
「わかった、すまんかった。ユニコーンの事は忘れよう」
そんな話をしているとそこへ、
「もしもし、魔術師をお探しですか?」
と、老婆が話しかけてきた。
わしが言うのも何だがこれ以上平均年齢があがるのはなぁ、
「わしらは長旅でして、体力的にも・・その若い方をじゃな」
と言いよどんでいると。
「わたし、若いですまだ12歳です」
「嘘をつけ!」
やばい、思わず口に出してしまった、昼の事があったばかりなのに・・・
「嘘じゃ・・無いです」
老婆はポロポロと泣き出してしまう。
さっきまでの楽しい食事の雰囲気は一瞬で冷めて、皆がジトーっとこっちを見る。
「すまんじゃった、雇うかどうかはともかくなっ、泣き止んで話をしてはくれぬか?」
老婆は、鼻を啜りつつ話をしだした。
「私は魔法使いに憧れ、我慢できずに魔法使いに弟子入りを志願したんです。
でもどの導師も、自分が若すぎると言って弟子にしてくれなくて、結局弟子にしてくれたのは今の師匠だけでした。
師匠はすぐに魔法を使えるようにしてやると言って、儀式をしたんです。
そして、その儀式が終わると、私は師匠の体に、師匠は私の体になっていたんです。
それから、元に戻してって言っても聞き合ってもらえなくて・・・
確かに魔法は使える様にはなったけど」
そこまで言うと、また耐え切れずに泣き出してしまった。
わしは、この話が本当であるならば気の毒ではあったが、本当にそんな事があるのか不信にも思っておった。
じゃが仲間達のうち、シシリーとクレイは、うんうん頷いて完全に信じておるようであった。
ちなみに夜も遅いので、ミルドは先に部屋で寝ておる。
とりあえず、わしはこの老婆を賢者マルセルの所に連れて行き、真偽をはっきりさせ、また本当であるならば解決策を授けてもらうのも、よいと思ったのじゃ。
賢者マルセルは、この次に寄る街におるしのぅ。
「とりあえず、君の名前を教えておくれ」
「セシルです、セシル・ウッディナです。」
第2部始めましたが未だに章編成のやり方がわかっていないご様子w
誤字脱字などありましたら、指摘して頂けると助かります。
ご愛読ありがとうございました。




