20.南下
わしじゃ、アルブレヒトじゃ。
王都サハノウを出発して一路南へ、街道の交わる街ローランドへ向かっておる。
ローランドからは、南北に加え、東に向かう街道が伸びておる。
わしらは、ここから東へ進路を取るつもりじゃ。
パーティーは、わしに、養女にしたミルド・戦士のクレイ・シーフのリーシャ・プリーストのシシリー、そして帰ってきた愛馬シュバルツ三世の5人と1頭?じゃ。
ただシュバルツは進化転生してペガサスになり、更に人の姿になっておるので1頭と言う数え方が適切かはちょっと疑問じゃ。
そのシュバルツが歩きながらわしに話しかける、
「アル様、私に新しい名前つけて下さい!」
唐突じゃな、
「なんじゃ、その名前気に入っておらなかったのか?」
すると得意気に、
「いいえ、ただシュバルツって"黒"って意味から来た名前ですよね、わたしペガサスになった時、真っ白になったんですよ、それにこの白い肌!、なのに名前が"黒"ってあんまりじゃないですか!」
「転生したてで、よくそんな事知っとったな」
元馬とは思えぬ博識だと感心しておったら、
「スカウト妖精さんが、自慢気にウンチク披露してて知りました」
「余計なことを・・」
わしは少し考えて
「ヴァイス」
するとジト目で
「それ"白"って意味ですよね、なんで女の子の名前つけるのに色からのイメージしか無いんですか!もっとキュートなのお願いしますよ」
面倒な馬じゃのぅ、わしは解り難いようにもじって、
「フィリスでどうじゃ、嫌ならもうジュバルツじゃ」
「おおっ、いいですね。じゃ私これからフィリスって事でよろしくお願いします。」
と周りの皆に挨拶したのじゃ。
ふと、わしは
「ペガサスって事は伝説のようにわしを乗せて飛べるのかのぅ」
などと聞いてみた、
「いやー、背中に羽生えてるから鞍が付かないし、飛ぶのに激しく羽動かすから多分落ちるっすよ」
更に、続けて
「大体鳥から変化したんじゃなく、馬から変化した生き物ですからね、長時間は飛べないっす。前足にしがみついて貰えれば少しなら飛べると思うンすけどね」
盛大に夢を壊されたなぁ・・・
と、言うか鞍がつかないなら地上でも乗れないではないか、とんだ劣化版である。
「今、失礼なこと考えてませんか?」
「なーんもーじゃ」
そんな会話しておったらクレイの奴が
「よろしく、フィリスさん。しかし20歳の馬なら結構なお歳だし、敬語使ったほうがいいのかな?」
ピキッピキッ
「馬がぁ、何歳まで生きるとかぁ、関係なく私は二十歳ですからぁ、気にせずぅ話しかけてぇ下さいねぇ」
と、クレイのほっぺたを抓り、更にグリグリと捻りながら言った、
「そうですよぉ、女性の歳で差別なんてする子は嫌われますよぉ」
と、反対側のほほを引っ張るシシリー。
気にはなったが何歳かなんて恐ろしくは聞けんのぅ。
リーシャがぼそっと
「ばっかだねぇ」
そんな時ミルドが、
「お爺ちゃんは若ほうが好きなの?」
と無邪気に、導火線に火の点いた爆弾をほおってよこす。
わしは、ここで選択を誤ると危険な事を承知しておったし、あまり返事を待たせても刻一刻と状況が悪くなる事を知っておった。
なれば、この場合の正解はこれじゃ!
「なに、ここにおる皆は歳に関係なく美しく素晴らしいご婦人じゃよ」
だというのに、ミルドは若干しょんぼりしておるし、
前を歩いていたフィリスとシシリーも、クレイの頬を掴んだまま振り返り、不機嫌な眼を向け「フンッ」と前に向き直っておった。
失敗じゃ、皆を一様に褒めると言うのは、誰も褒めないのと同義なのじゃな。
ここは孫バカっぽくミルドをべた褒めするのが正解じゃったか・・・
リーシャ「ばっかだねぇ」
クレイとわしは居心地が悪く、早くローランドが見えてくるのは祈るのじゃった。
こんにちはリーシャです。
この物語は60代の老騎士と様々な世代のキャラクターが絡む物語です。
今のコトロ全ての世代は網羅してませんが一応
ミルドちゃん9歳
わたしリーシャ18歳
クレイ22歳
セグルドさん36歳
スカエウォラ51歳
となっております。
さて、我が姉御、シシリーさんはおいくつでしょう?
正解の方には、姉御のハグをしてもらう権をプレゼント。
ちなみに、歳上に間違えた方にはもれなく神聖魔法のカースがプレゼントされます。




