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19.新たな旅立ち

わしじゃ、アルブレヒトじゃ。

わしは、王都の南門続く、路上におる。

あれからゴタゴタしておって、一週間もたってしもうた。


軍団はまた再編成されることになり、王直々に帰って来いとまでおっしゃって頂いたのじゃ。

しかし、わしは高齢であること、わしより有望な者がまだおることを理由に、辞退したのじゃった。

本音はと言うと、あまりにも悲しいことが起きすぎて、この国に居るのが辛かった・・・


最初、ミルドは孤児院に預けて行くつもりじゃったが、もう意地になって付いてくると言うんじゃ。

子供とはいえ、義理堅く受けた恩を返さずには居られぬ種族的な本能なのかもしれぬのぅ。


クレイをわしは、軍団への士官を推薦するつもりじゃったが、まだ修行がしたいと申して断られた。


リーシャは、あの時見せた鋭い物を潜ませて、また韜晦しておる。

底の見えない娘じゃて。


シシリーはしばらく鬱ぎ込んでおった、ミルド共々捕縛され、危うく人質として利用されそうになったからじゃ。

しかし、今では元気に孤児院の手伝いをしておるようじゃった。


セグルドは、教会で下男として働く日々に戻った。


わしはミルドと二人、街道を南に下り、次の街を目指そうと歩き出した。


「見つけたっ!」

わしの前に、金色の髪を頭の後ろで纏めて縛り、真っ白な肌をした、お転婆そうな娘が、行く手を阻むように仁王立ちしておる。

「あんただけはゆるさないんだからっ」

と言って、わしの頬をビンタした。

しかし、それは見た目通りの軽いビンタではなかった。

わしは空中を、一回転半して地面に着地した。

一瞬で意識が刈り取られそうになる、

「お爺ちゃん、お爺ちゃんー」

ミルドの声で現世に戻ってくる意識、あぶなかったのじゃ。

「あちゃー、やり過ぎちゃった。でもアル様も悪いっ」

とかほざいておる金髪娘。

わしはフラフラしながら、

「わしら何処かでお会いしましたかのぅ」

と問うと、

「わかんないかやっぱり、私ですシュバルツ三世です!」

わしの理解を超えた、答えじゃった。


とりあえずは頭クラクラするので、南門のすぐ内側にある甘味屋の軒先で、焼き菓子を食いながら話を聞いておった。

「私、あの後森にある妖精の道ての通って幻想郷って所に行ったんです。

で、そこの泉で入水自殺すると、ペガサスにクラスチェンジしてたんですよ。

それから急いで妖精と一緒に宿屋に戻ったら、もう出発して居なくなってるじゃないですか。

もうビックリですよっ。

捨てられたっ!って思いましたもん。

でも私、馬だから喋れなくて、人型になるための経験値必死で稼ぎましたよ。

トレイン・横殴り・狩場独占、なんでもござれでモンスター狩りまくって、今の姿になったんすよ。」

わしは転生って、もっと長い年月とか掛かると思ってたのに、意外とあっさりだったんだのぅ。

「すまぬのぅ、次会うのは、わし死んで転生した来世かと思っとったから」

「でも会えてよかったっす、ポトフ村周辺では白い悪魔って有名になって、居られなくなったんで、こっちに逃げて来ただけで、会えたのは偶然っすもん」

なんじゃその物騒な二つ名、わしお前のことちょっと怖くなったぞぃ。

まぁ良い、大分遅れたが出発するとしよう。わしは歩き出し、やっと南門を抜け旅を再開するのじゃ。

「師匠ー、遅いですよぅ」

門を抜けたら、大八車を引いたクレイがおった。

「わたしらもうパーティーだからねっ」

リーシャが言う。

「ミルドちゃん、今度こそ守ってあげるからね」

とシシリー。

「もう、給料もでんと言うのに、物好きな事よのぅ」

震える声で言うそれは、わしの精一杯の強がりだったのじゃった。



わー、第一部完、です。

なんとか一部完まで辿りつけましたが、後半ちょっち早足すぎるかもしれないので、機会があれば修正するかもしれません。

ここまで読んでくださった皆様本当に有難うございました。

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