3話 告白
こんにちは、作中に出てくる赤壁は、せきへき、レッドクリフ、
レッドライン、でも、好きな読み方で、お願いします。その意味は、赤点です。
あるものには栄光の、またあるものには赤壁との戦いを終え、あとは勝鬨の声か嘆きの雨を待つのみ。
そんな夏休みまで2週間となったこの日の放課後。
私は委員会を終えて教室に向かっていた。
……会議が遅れてこんな時間になるなんて。
空の色は夕暮れの赤より濃い紫の色にかわっている。
私は溜め息をつき教室のドアを開けた。
開いたそのままに、私は驚き声をあげてしまう。
「え、凛くんっ!?」
……なんで?
「おー、明日菜。お疲れっス」
「うそっ、なんでいるのっ!?」
……どうしてこんな時間まで凛くんは残っているの?
私が状況が呑み込めずに居ると、凛くんが机の中から一枚のプリントを取り出した。
「ほら、此処に書いているだろ。生徒会便りに」
と、私にプリントに書かれている一文を示してきた。
そこに書かれている内容くらい知っている。私自身が書いたのだから。
登下校時、特に下校中の注意。夜遅くまで出歩くこと、知らない人、変質者への注意事項。
私はそれだけで凛くんが何故こんな時間まで教室に残っていたか察した。
「…………」
私は嬉しくて声が出せなくなる。だってそうでしょ? 自分の事を心配してずっと待っていてくれたのだから。
トクントクンと速まっていく鼓動。左手でその場所を制服の上からキュッと抑える。
「り、凛くん……。私、凜くんが好きなの」
凛くんの驚く顔と一瞬の静寂の中、うるさいくらいに高鳴る胸の音。
そして――
「ありがとう好きになってくれて……嬉しい。けど……ごめん、明日菜のこと今はまだ、そういう風には見れない……」
なんだ……
『絶対、両想いだって!!』
『告白しなよ』
……そっか……違ったんだ……
胸が痛い……
涙を堪えようとしても溢れて来る……
声を殺しても……
「うっく……」
……違った……
それだけが確かな真実で……
「なんとも思ってないならっ……紛らわしいことしないでよぉ……」
私は立ち尽くし、次々と溢れて流れる涙を拭う。
――胸が痛くて
苦しくて
窒息しそうだ……。
3話 告白 いかがでしたでしょうか?
楽しんで頂けましたでしょうか?
ここまで、お付き合いいただきありがとうございました。
それでは、次回に