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「ひとまず、願いを9つにしてくれ」「オッケー!」  作者: ラボアジA
第五章 メガネにさよなら

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「手ぶらで帰れ、ゲスめ」

 僕が願いを告げると。


 パンッ……!


 世界全体が色褪せて、ビデオの早廻し逆再生のようにギュルギュルと時間が戻り出した。


「すぐに戻りきるぜ」

「ああ」


 アミエルと言葉少なにやりとりを交わした次の瞬間。

 目と鼻の先で、さっき死んだ真子が泣きながら頷いていた。


「真子、次は気絶しろ」


 僕は素早く言った。


「早くするんだ」

「え……?」

「気絶しろ……早く!」


 真子からしたら、さっぱり意味が分からないだろうが、それでも、魔法で巨大な『光』を作り始めた。事前に「僕の言うとおりにするんだ」と言っていた小細工も効いたのかもしれない。


「な、なんで我が輩が人間界に……!?」


 エヴェレットが、先ほどいた位置で辺りを見回していた。すぐに僕達を見付けて「ああっ!」と声を上げるが、もう遅い。

 真子は、強烈な『光』を放ったあと、ふっと意識を無くした。今度はしっかりと抱きかかえる。


「小僧ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」


 エヴェレットの怒号が響き渡るが、僕はかえって冷静になった。


「やあ、エヴェレット。さっきはちょっと別れの挨拶が淡泊すぎたよな?」


 真子を優しく地面に寝かせた僕は、やおら立ち上がってエヴェレットに向き直った。


「あれでお別れとは、礼儀がなってないぜ。なのに、土産みやげはしっかり持って行く……。不逞ふていの輩、ここに極まれりだな」


 僕は、中指で眼鏡のブリッジを押し上げた。


「手ぶらで帰れ、ゲスめ」

「小僧ーーーーーーっ!!!」

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