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「ひとまず、願いを9つにしてくれ」「オッケー!」  作者: ラボアジA
第三章 ひそやかな反撃

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「稼ぎ時だからだよ」

「おいおい、何を言ってる、アミエル?」


 僕は溜め息をついた。


「日本担当は666人と言ったか。それ以外の悪魔は、ここに来られないのか?」

「ああ、シマが違うからな。縄張り荒らしは御法度だ」

「今、あと何人ぐらいがこの眠り病計画に参加しそうか分かるか」

「あー……いや、分かンねえな」

「なら、逆に聞こう。担当する悪魔のうち、この計画に参加しない者はどのくらいいるか分かるか?」

「……? それを聞いてどうするつもりだ」

「666人から、参加しない悪魔を引く。大事をとって、その8割ぐらいで大災害を引き起こすと考える」

「――ほお。だが、次の瞬間にも使ってくるかもしれねえぜ?」

「たしかにそうだが……、可能性は低い」

「なんでだ?」

「稼ぎ時だからだよ」


 僕は胸を2回叩いた。


「いいか? 僕は気付いたが、それ以外の人間はまだ誰も気付いていないんだ。とすると、敵についている悪魔は、もっとこの計画に他の悪魔を引きつけたほうが断然得なんだよ。恩も売れるし、魔力の取り分も……折半なのか? それも回収できる。さらには、大災害なら周辺の人間もパニックだろうから、それこそ悪魔の独壇場だ。うまく取り入れれば、五周、十周と魂を回収できるだろう。とすると、始めに集めておく悪魔の数は、多ければ多いほどいい」


 僕は、ここで一息ついた。


「ジャマー1つで封殺したんだ。敵は頭がいいと想定していいだろう。ならば当然、『この程度の人数で大災害など発動させない』。理屈に合わないし、利益もない」

「――なるほど」


 低い声でアミエルは言った。


「参加しない奴らは、上司連中が6人、事務が60人、オレみてーな奴が30人ってトコだ」

「とすると、666人から引いて、570人。8掛けで456人。300引いて156。――今日明日でどうこうという数字じゃないな。まずは、敵にこちらが『知られていない』というアドバンテージを活かすとしよう」

「具体的にはどうするんだ」

「急ぐ必要があったら、今すぐ対決だった」

「敵の場所知らねえだろ」

「アミエルが知ってるだろ? 折半相手の情報を」

「――そりゃあそうだがよ」

「だが、そこまで急ぐ必要はないと分かったからな。とすると、まず行く場所は、病院だ」

「なに?」


 立ち上がった僕を見て、アミエルは顔をしかめた。


「おいおい。まさかそこは、オレの同僚がわんさといる、市内の病院か?」

「今の話の流れで、他にどこがある」

「あんまり人混みが多いのはイヤなんだよな。あと、オレは参加してねえってのもあるし……」

「ぶつぶつ言うな。――そうだ、アミエル。お前にもちょっとした演技をしてもらうぞ」

「はあ? 何すンだよ?」

「なあに」


 僕は笑みを浮かべた。


「得意なことだ」

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