表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/39

「『出来ない』わけじゃないんだな」

「――何ぃ?」


 浮遊を止めた悪魔は、ゆるゆるとベッドに沈み込むと、上半身を起こして脇へと座り直した。


「おいおい……。3つの願いを叶えるのはオレの方なんだぜ? ただのコーコーセーのお前が、何をしてくれるっつーンだ?」


 悪魔はからかいつつ、派手に頭を振った。


「それともお前、あれか? ダメ元でも願いを増やそうとあがくような人間が、たかだか3つしかない願いの1つを、オレに恵んでくれるっつーのか?」

「違うな」


 僕は首の後ろを小刻みにかいた。


「増やした願いで叶えてやる。僕は、そういう提案を持ちかけてるんだぜ」

「おいおい。だからよ~ぉ、願いを100個に増やすのはイヤだと……」

「そこだ」


 僕は悪魔を手で制した。


「イヤって言葉は普通、『能力的には可能だが、したくない』って時に使うもんだ。つまり……」


 手を人差し指だけ残し、悪魔に突きつける。


「『出来ない』わけじゃないんだな?」


 ずっと半笑いを張り付けたような悪魔の顔。

 そこから、いま、初めて笑みが消えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ