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「ひとまず、願いを9つにしてくれ」「オッケー!」  作者: ラボアジA
第二章 戦わせない戦い

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「過去に相当なトラウマがあったな、オイ」

「いや~、まったく、面白い奴がいたもんだぜ」


 どこから取り出したのか、アミエルはシャボン玉を辺り一面に吹き散らかした。


思考妨害ジャマー――それも広範囲だな。このテの『願い』は、妨害する内容を絞れば絞るほど範囲を広げられる。マイナーな事案が対象なら、ヘタすりゃ世界丸ごとかもな」

「ああ……。ならば、その……うっく! えぇっと……、あぁ、くそっ! 酷い妨害だな!」


 深く考えると『思考をリセット』されるらしいので、先に『思考を散らした』が、それでは結局意味がない。

 ――こいつをどうにかしないと、そもそも「考えられない」のか。

 僕は、ジャマー対策を最優先にえることにした。


「アミエル。これは一般論だが、不特定多数に何かを考えさせたくないとき、思考を逸らすことは可能か?」

「ああ、お前が今食らってる通りだよ」

「それは、いっぺんに可能か」

「そうだな、人間をターゲットにすると一人ずつになっちまうが、そんなときゃあ場所を指定すればいいのさ。この『眠り病』に関してならな」

「その名を出すな!」


 思考が戻るだろ! なんのために一般論にしたと思ってるんだ!? 苛立つ僕に対し、アミエルはとても楽しそうに笑った。

 ――くそっ、抽象的じゃダメだ。ちゃんと形のある物にしよう。


「眼鏡だ」


 僕の口から、とっさに出たのがそれだった。


「いいか、アミエル。僕が、自分のお気に入りの眼鏡を着けているとき、それについて反対意見や邪魔立てなどされたくない場合、『僕の眼鏡について考えさせない。範囲は地球上』ということは出来るか」

「ああ、出来るぜ。ちゃ~んとお前だけを除外してな」


 アミエルは、僕の顔の上半分に向かって、指でぐるぐると楕円を描いた。


「それにしても、たとえ話で眼鏡か……。くくく、過去に相当なトラウマがあったな、オイ?」


 口の減らないアミエルを無視し、僕は人差し指で眼鏡のつるを弄った。満足のいく位置に落ち着くと、その指を前に出す。


「アミエル、『願い』を使いたいが、その前にいくつか確認をしておく」

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