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「ひとまず、願いを9つにしてくれ」「オッケー!」  作者: ラボアジA
第二章 戦わせない戦い

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「今の話が、『理解出来ねえだろ』」

「大輔よ。眠り病に冒された人間を全員起こすと言ったが、大変残念なことが3つある。まず、願いでターゲットに出来るのは1人ずつだ。300人起こすなら、300個願いがいる」


 人差し指を立てていたアミエルは、次に中指も起こした。


「次に、眠らせているのはそれぞれ別の悪魔だ。起こすとなったら、利害関係が発生するから、『願い』とは別に、ちょいと交渉が必要になる。300人ってのは骨が折れるぜ~ぇ」


 最後にアミエルは、親指を立てた。


「そして、こいつがトドメだが……、お前、今の話が、『理解出来ねえだろ』」


 アミエルが妙なことを言った。理解できない? バカな、極めて分かり易かった。

 眠り病に冒された人間を……ん?

 軽く頭痛がしたので、額を押さえた。幸い、すぐに収まる。

 えぇっと、眠り病を……。

 ――どうしたんだ?

 額の手を滑らせて、口を覆う。椅子の座席に足を乗せ、片膝を立てて体全体で抱え込むようにして、熟考しやすい体勢をとる。

 どこまで考えていた。――ああ、そうだ。眠り病にかかった幼なじみ、きなこを助けるんだ。幸い、悪魔の「願い」がある。協力態勢は築いたから、助けられるだろう。だが、きなこは自分が助かっただけではよしとしない。ならば、他の人間も全員助けよう……。


「悪魔よ、願いがある」


 僕は姿勢を正すと、眼鏡をくいっと弄った。


「この忙亜ぼうあ市には、現在、眠り病が流行はやっていてな……」

「はいはい。市内にゃあ300人ほど眠ったまま起きない人間がいるから、全員起こしたいんだろ?」


 苦笑するアミエルに、僕は眉をひそめた。


「推測できても、先回りして言うな」

「くっくっく……。いや、こいつはすまねえ。ちょいと面白くてな」


 アミエルは品のないひきつり笑いをしつつ、顔を押さえた。

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