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瞑想世界98

夢の濃硫酸に溶かされずに、僕は生還した。

目の前にいる田村が言った。





「どうやら夢に溶かされずに、生還出来たようだな?」





僕は尋ねた。





「ここは何処だ?」





田村が答える。





「プールの底さ。濃硫酸の雨が時間を溶かし、俺達はプールの底に運ばれたらしい?」




咄嗟に僕は田村に尋ねた。





「お前は田村なのか?」




田村が頷いた。





「俺は田村だ。それは信じて欲しい。そして何も信じられないこの世界に在って、俺達は互いの友情と愛を信じるしかないんだ。それを信じられなくなった時、全てはカオスに飲み込まれ、虚無そのものとなってしまうんだ。分かるか?」





僕は深く深呼吸した後田村の言葉に激しい憎悪を覚えながら、言った。





「夢の濃硫酸の雨が時間を溶かし、その夢が俺の身体と心を溶かしてしまうのか。それならばこの世界に満ちている時間概念は夢で出来た濃硫酸なのか。それに溶かされたら、おしまいなのか?」





田村が頷いた。





「そうだ。瞑想装置以外の生き物は全て溶かされてしまうのだ」

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