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瞑想世界94
何も覚えていませんと、成美ちゃんが言った。
成美ちゃんが涙ぐみ言った。
「どうして、どうして村瀬さんを助けに来たのに、諦めるの?」
僕は田村を指差し言った。
「田村もあの通りだし、このままこの世界にいたら、俺達は破滅してしまうんだ。成美ちゃん」
涙を拭って、パラソルを手から離し、田村を心配そうに見下ろしてから成美ちゃんが言った。
「田村さんはどうしたの?」
「成美ちゃん、君が殴り倒したんだ。覚えていないのか?」
成美ちゃんが首を振り頷いた後、泣きじゃくり言った。。
「何も覚えていません」




