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瞑想世界86

全ての災厄の本である完成された異次元ワームホールは、人間存在を徐々に追い詰め、苦しめる装置としては、万全の瞑想装置と言えるだろうと、村瀬は言った。

村瀬が冷淡な口調で続ける。





「俺は世間から塗炭の苦しみを貰い味わって来た。だから俺はその苦しみを世間の奴らにお返ししようと考えているのだ」





田村が一つ息をつき尋ねた。





「だからお前は世界を滅ぼすのか?」






村瀬が嬉しそうに頷き言った。





「その通りだ。位相の穴に出来る異次元ワームホールは、量子論と言うか素粒子論から言えば、粒ではなく波としての存在だからな。三次元的な観測装置で正体を見極めるのは不可能となるわけだ。それはとりも直さず、全ての災厄の本となる存在と言えるわけだ。だから人間存在を徐々に追い詰め、苦しめて行く装置としては万全となるわけだ」






僕は語気鋭く喚いた。




「その言わば瞑想装置を完成させるのが、俺達が貴様にいたぶられて、絶対死を迎える所作に繋がっているのか?」





村瀬が頷き言った。





「そうだ。滅亡した先には絶対の混沌が待ち受けているだろう」





田村が尋ねた。





「そのカオスを計測する事は、村瀬、貴様にも出来ないのか?」





村瀬が嘲笑い言った。




「混沌は混沌でしかないからな。カオスの計測など出来るわけがないわ」

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