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瞑想世界82
これこそが破壊神の正義さと、村瀬は言った。
田村が言った。
「村瀬、お前は何故そんなに母親を怨んでいるのだ?」
村瀬が答えた。
「あの女は散々男をくわえ込み俺を棄てて、情夫と逃げたのだ。男好きが昂じて売春にも手を染めた救いようが無い女なのだ。だからあんな女は死んでも飽き足らないのさ」
僕は高ぶる感情を押さえて言った。
「でも貴様の母親は貴様を愛していたのだろう。違うのか、朝鮮人?!」
村瀬が鼻で笑い言った。
「あの女に愛情などは一切ありはしない。あるのは盛りのついた性欲だけだ」
田村が尋ねる。
「それを呪っているから、村瀬、貴様は世界を滅ぼすのか?」
村瀬が冷笑し答えた。
「そうだ。悪いか?」
田村が畳み掛ける。
「村瀬、それが朝鮮人の誇りなのか?」
村瀬が目を細め言った。
「そうだ。日本人に差別され、母親にも蔑まれた、その憎しみを俺は世界を滅ぼす事で晴らすのだ」
僕は憤りのままに喚いた。
「そんなの逆恨みではないか!」
村瀬が首を左右に振り言った。
「いや、これこそが破壊神の正義さ」




