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瞑想世界80

俺は嘘などつく程暇ではないと、村瀬は言った。

田村が言った。





「村瀬、貴様は破壊の後の文明の再構築など考えてはいない。貴様が考えているのは無差別な殺戮、徹底した破壊だけだろう」




村瀬が涼しい顔付きをして言った。





「その通り。破壊の後の創造の原理など俺は知った事では無いわけだ。再構築するのは三次元宇宙の所業であり、俺には無関係と言えるわけだ。俺はこの異なる次元世界の要望に応えて、徹底した破壊を目論むのみ。そしてお前らがその破壊力を増大させてくれる試金石となるわけだ」




すかさず僕は喚いた。




「それはどういう意味なんだ。朝鮮人?!」




村瀬が愉快そうに答える。






「俺が貴様らをなぶり殺す行いこそが、位相の口をワームホールと化し、現代文明そのものを滅亡に追いやる引き金なのだ」




田村が喚いた。





「それじゃアガティスの葉に描かれた実存の石ころの話はでっちあげで、村瀬貴様は全的な破壊を促す試金石たる俺達をこの狂った世界に呼び寄せる為の嘘というか、罠を作ったのか?!」





村瀬がとばける。





「さあ、そんなのは俺の知った事では無いわけだ。とにかく貴様らは俺の破壊力を増大させる試金石でしかないわけだ」




僕は村瀬を挑発するように言った。





「とぼけるな、村瀬、貴様は俺の実存の石ころを蹴飛ばし、世界を滅ぼそうとする悪魔だ。貴様みたいな奴が神なんかでは絶対に無い。朝鮮人め!」





村瀬が哄笑してから言った。





「自惚れるな、貴様の死など、世界の死ではないわ。貴様らは試金石という意味では確かに石ころだが、アガティスの葉っぱ云々の話しは俺の知った事ではない。それこそ貴様らのでっちあげだろう、違うのか?」




僕は挑発を繰り返す。




「嘘だ。朝鮮人、本当の事を言え!」





村瀬が言った。





「俺は嘘などつく程暇ではない」

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