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瞑想世界77
僕は激しい憎悪に身を焼きながら喚いた。
僕は強く主張した。
「村瀬、成実ちゃんを愛していないのか?!」
村瀬が答えた。
「愛とは何だ。単なる貪欲、虚偽、欺瞞のぶつけ合いではないか。それよりも残忍で美しい殺戮の方がより純粋だと俺は思うがな」
田村が真っ向否定した。
「殺し合いなど愛では断じてない。哀しみしかないではないか!」
村瀬がほくそ笑み言った。
「お前らも半分は瞑想装置なのだから、殺し合いにエクスタシーは感じている筈だ。と言うよりも人類の文明など殺し合いこそが礎になり、育んできたものではないか。徹底した破壊こそが整然とした文明社会をもたらすのならば、破壊のエクスタシーこそが史上の美ではないか。違うのか?」
田村が言い切る。
「そんなの愛では無い!」
村瀬が狂暴そうに微笑み言った。
「お前らの愛は俺を朝鮮人と馬鹿にする愛か?」
僕は激しい憎悪に身を焼きながら喚いた。
「うるさい、朝鮮人!」




