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瞑想世界76
目を覚ますのは貴様らだと、村瀬は言った。
村瀬が横目で僕を睨み据え言った。
「貴様らは俺の聖域を土足で汚した。その行いは万死に値する」
田村が言った。
「村瀬、俺達はお前を救出する為に赴いた友達ではないか?」
村瀬が鼻で笑い言った。
「土足で踏みにじるのが友情なのか?」
僕は喚いた。
「朝鮮人、成実ちゃんは貴様みたいな悪魔でも愛しているのだ。その愛が理解出来ないのか?!」
どす黒い笑みを頬に湛えて村瀬が言った。
「この世界は俺の身体そのもの。その聖地を汚した貴様らには万死こそが相応しいのさ」
田村が怒鳴った。
「村瀬、目を覚ませ!」
村瀬が首を左右に振り言った。
「目を覚ますのは貴様らだ」




