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瞑想世界75
残忍な殺戮こそが慈悲ではないかと、村瀬はうそぶいた。
闘うそぶりは一切見せず、せせら笑ってから村瀬が言った。
「貴様らは馬鹿だ。破壊神たる俺があんな腐ったはしため食うわけが無いではないか。口が腐るわ」
僕は怒り心頭に怒鳴った。
「朝鮮人、薄汚い貴様は瞑想装置になって、全てを破壊するつもりなのか?!」
村瀬が頷いた。
「そうだ。建設という概念は破壊という言葉が支えているからな。破壊こそが建設そのものならば、それを施すのが人間の文明への、最大級の慈悲、慈しみではないか。違うのか?」
田村がおもむろに言った。
「村瀬、貴様は破壊神なのだな?」
村瀬が嬉しそうに頷き言った。
「そうだ。殺して殺して殺しまくり、殺戮の限りを尽くす、その闘争本能こそが俺の慈悲だ」
田村の制止をかい潜るように、僕は一歩にじり寄り喚いた。
「絶対の死の訪れなど、断じて慈悲ではない。単なる無慈悲な殺戮だ!」
村瀬が悪魔のごとく嘲笑い言った。
「快楽だけを貪る醜悪な人間存在には絶対の死こそが相応しいのだ。それを与えるのが、破壊神たる俺の慈悲ではないか。違うのか?」




