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瞑想世界70
うるさい殺すと、僕は喚いた。
田村が言った。
「憐れだな。俺は半分瞑想装置の田村だ。だが俺はお前と違って狂ってはいない。お前は半分の瞑想装置に心を乗っ取られようとしているのだ」
僕は息巻いた。
「嘘だ。貴様は村瀬の分身なのだろう。俺をたぶらかして、絶対の死に追いやろうとしている、貴様は村瀬だ!」
「俺は村瀬ではない、見ての通り田村だ」
「信じられない、殺す!」
僕は直線的に村瀬たる田村ににじり寄り、前蹴りを繰り出した。
田村がそれを柔らかい身のこなしで左手にかわし、喚いた。
「お前は殺意のままに俺を村瀬と断定して殺そうとしているに過ぎないのだ!」
僕は身構え怒鳴った。
「うるさい、殺す!」




