瞑想世界7
複合型としての単体型のイメージを体感した時が、位相に穴が開く時なんだと、田村は言った。
「右回転するチャクラがまばゆく光っているのが、虚偽ではない事を確かめる為に、それに恋をするんだ」
矛盾だらけの田村の言葉に僕は軽く頷き言った。
「恋をするって、これにどうやって恋をすればいいんだ?」
今確かに僕の胸のところで、まばゆく右回転するチャクラはりんごのようだが、それに恋をするというその意味が分からず、僕は戸惑うばかりだ。
田村が答える。
「初恋のイメージでもいい。右回転するりんごのチャクラに恋をするんだ」
僕は喚くように尋ねた。
「初恋のイメージを、このりんごに当てはめるのか?」
「そうだ。そしてそのイメージを位相の数式に当てはめるべく、青いビー玉を想起してくれ」
僕はひたすら困惑する。
「おい、ちょっと待ってくれ。右回転するりんごのチャクラに恋をして、その数式を完成させるために青いビー玉をどうやって想起するんだ?」
田村がおもむろに答えた。
「その概念を同時に想起して、複合型としての単体型にすれば良いのだ」
僕は明瞭に怒鳴った。
「複合型としての単体型なんか矛盾していて、イメージ出来ないぞ。ふざけた事抜かすな!」
田村が冷静に言った。
「それを具体的に体感した時が位相に穴が開く時なんだ」