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瞑想世界65

成実ちゃんが現れた。

頭が割れるように痛みうずくまってうめき声を上げた直後、僕は瞑想装置となった。





だが友に対する情けは失っていない中途半端な瞑想装置だ。





頭を抱えてうずくまっている僕に田村が呼び掛けた。





「成実ちゃんだ!」





成実ちゃんが金切り声を上げ、林道の奥に立ち止まり、涎を垂らしながら、こちらを睨み付けている。





村瀬の姿は無い。





田村が叫んだ。





「俺はまだ瞑想装置になっていない。お前が捕まえてくれ!」





咄嗟に僕は田村の身を案じた。





「お前一人で大丈夫か?!」





「大丈夫だ。捕まえろ!」





「分かった」





そう返事して、僕は成実ちゃん目掛けてダッシュした。

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