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瞑想世界58

俺はおためごかしの宗教なんて全く信じていないのさと、田村が言った。

腹を満たし、僕は田村に尋ねた。





「俺の実存の石ころとは何だ?」





箸を置き、田村が答えた。





「魂の事だろう」






僕は頓狂な声を出した。





「俺の魂は石ころなのか?」





田村が苦笑いしてから答えた。





「石ころの形をした魂だと思う」





僕は首を傾げ言った。




「しかし魂の石ころが実存だとしても、魂は俺の肉体に宿り、誰かに蹴られたりはしないと考えるのが常識だろう?」





田村が答える。





「そんな常識は人間が作ったもので余りにも無力と言える。瞑想世界にも魂があり、現実世界にも同時に魂があると考えるならば、蹴る事は可能なわけだ」




「同一でありながら、二つに分かれているのか。何か頭が狂いそうになって来るな?」





田村が微笑み言った。




「複数としての単数を想起すればいいんだ。そうすれば瞑想世界と現実世界が同時にあるものとして実感出来るではないか?」





僕は益々混乱する頭を整理するように息を吐きだし、言った。





「そんな事言っている宗教とかは無いぞ」





田村が言い切る。





「俺はおためごかしの宗教なんか全く信じていないのさ」

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