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瞑想世界51

僕は涙を流しながら、雄叫びを上げた。

半分瞑想装置と化しているので、身体のだるさは無い。





プールの底に降り立ち、田村の身体を軽々と肩に担ぎ上げ、片手で鉄梯子を掴み、片手と片足の軸を交互に梯子に掛けながら、田村を引きずり上げて行く。




息も切れないし、出る筈の汗も滴りはしない。





ただ激しい殺意が込み上げて来るのを、僕は懸命に抑える。





憎悪のままに瀕死の田村をプールに叩き付ければ、田村は悶絶死するに違いない。





田村を担ぎ上げながら、僕はその凄惨な光景を夢見ている。





冷笑しながら夢見ている。





それを行えば、僕は果てしないエクスタシーに満たされるのが実感出来るのだが、僕はそれを歯を食いしばり堪える。





心の中の友情と殺意のせめぎ合いを、僕は真っ赤に充血した眼を見開き凝視している。





殺意が友情を憎悪しながら、僕は田村を押し上げプールサイドに投げ出すように転がし、涙を流しながら雄叫びを上げた。





その雄叫びに田村が眼を見開き、言った。




「…有難う」

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