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瞑想世界50

助けてくれと、田村が呻いた。

水が抜かれたスキューバダイビング練習用のプールの底。





田村がくの字になり倒れている。





そのいかにも非現実的な光景を目の当たりにして、僕は生唾を飲み込んだ。





どのようにして田村がプールの底に倒れ込んだのかを、その原因を考えるが、当然のごとく僕には分からない。




円形のプールサイドをぐるりと回り込んだところで、僕は田村に呼び掛けた。





「田村!」





田村が薄目を開いて言った。





「動けない、助けてくれ」





僕は田村を見下ろしつつ、激しい憎悪を感じると共に、言いようもない情けを感じ、言った。





「田村、お前は本当に田村なのか?!」




田村が顎を引き言った。





「俺は田村だ。助けてくれ」




僕は声を限りに叫んだ。





「本当に田村なんだな?!」





田村が力なく答えた。




「助けてくれ」

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