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瞑想世界42

どちらでもない、それは村瀬さと、田村が言った。

僕から時空間分離した頭の痛みが、空中を漂い、叫び声を上げた。




「痛い、痛い、痛い!」




その叫び声を僕は冷静に第三者の目で見詰めながら言った。





「田村、俺の痛がる声が聞こえるか?」





田村が答えた。





「いや、赤いパラソルはプールにあるんだ。それを見付ければ、お前の痛がる声も聞こえて、村瀬に出会い、お前の実存の石ころを蹴られずに済むのだ」





僕は微笑み答えた。





「そうすればこの痛みの分身も聞こえなくなるのか?」





田村が頷いた。





「そうだ」





僕は田村が二人いるのを凝視しながら言った。





「迷路がプールになり、その赤いパラソルを開けば、俺はお前を殺さずに済むのか?」





「そうだ」





僕は悲しげに尋ねた。





「俺が殺すのは田村、どっちのお前なんだ?」




二人の田村が又回転しながら答えた。





「どちらでもない。それは村瀬さ」

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