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瞑想世界35

分かった。村瀬も助けようと田村は言った。

「朝鮮人、死ね!」





そう言って成実ちゃんが冷笑と金切り声を同時に上げ、薮に飛び込み逃げ込んだのを、村瀬が怒り心頭に追いかけて、闘いの一幕は下りた。




僕はそれを見て、無性に哀しくなり涙ぐんだ。





それを田村がたしなめる。





「泣くな。今ので成実ちゃんに人間の尊厳が残っているのが分かったじゃないか」





僕は涙を拭い言った。





「だからこそ悲しいのだ。成実ちゃんは村瀬を好きなのに、殺し合いをしなければならないから、それが悲しいんだ」





田村が一つ息を抜くようにため息をつき、言った。





「とりあえずジャンプして引き返し生還して、態勢を立て直してから、成実ちゃんを助けに戻ろう」




田村の意見に僕は一言つけ加えた。





「村瀬もだ。村瀬だって自分が朝鮮人だと馬鹿にされて怒る尊厳が残っていたではないか」





辛そうに咳込んだ後田村が言った。





「分かった。村瀬も助けよう」

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