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瞑想世界31

何か聞こえないかと、田村が言った。

石段を一歩づつ象るように登って行く。





その労苦に田村の息が絶え絶えになっている。





直ぐに石段に腰掛ける形で休みを取り、上がった息を調える。





同じように喘ぎながら、僕はひたすら田村を励ます。





「大丈夫か。田村?」




田村が答える。





「大丈夫だ。急がなければならないからな…」





頭が痛むのを堪えつつ僕は頷いた。





「そうだな。時間が経てば俺達は突然変異を起こして瞑想装置となってしまうからな。それは取りも直さず俺達にとっては死を意味するからな」





田村が頷き杖を頼りに立ち上がり、言った。




「さっきから、何か聞こえないか?」




田村に促され、僕は耳を澄ました。





どこか遠くの方で金属音のような金切り声が上がっていて、その声が段々近付いて来ている。




田村がため息をついてから言った。





「どうやら、成実ちゃんは俺達を弄んで悦んでいるようだな…」





慎重な足取りで石段を一歩づつ登って行く田村に寄り添い、僕は言った。





「こんな状態で成実ちゃんに襲われたら、一たまりもないな」





田村が荒い息遣いを調える為に、一度喘ぐように深呼吸してから言った。





「ああ」

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