表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/270

瞑想世界3

何故村瀬に出来て、お前には出来ないのだと、僕は田村に尋ねた。

強く僕は主張した。





「アガティスの葉っぱに俺の実存的生命観が描かれているならば、田村お前はその葉っぱを遠隔瞑想で見る事は出来ないのか?」




田村が答えた。





「俺としてはそれは試みたのだが、出来なかったのだ」





僕は疑問符を差し挟んだ。





「何故村瀬に出来て、お前には出来ないのだ?」





田村が首を左右に振り言った。





「分からない。遮断されてしまうんだ」





「誰に?」





「分からない…」





僕は悪戯っぽく一声笑い言った。





「インドに行って、アガティスの葉っぱを直接見ればいいじゃないか?」




田村が否定した。




「インドに旅立つ暇も金も俺達には無いだろう?」





僕は肩を落とし、答えた。





「そうだよな。俺達にはそんな金も無いし、暇も無いよな」




田村が調理されたアボカドを箸でつまみ、口に運んでもどかしそうな目付きをしながら咀嚼して飲み込み、告げる。





「とにかく身辺整理してから、事に当たらないとな」





僕は尋ねた。





「身辺整理とは?」




田村が僕を直線的に見詰めてから言った。





「インドではなく、異なる世界に旅立つのだから、家族に別れを告げるべきだろう?」





僕は恭しく頷き言った。





「それは成実ちゃんにも言ったのか?」





田村が答えた。





「勿論だ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ