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瞑想世界29

発狂して友達を失う位ならば、死んだ方が増しだと、田村は言った。

まるで老人のように衰弱した田村が言った。





「細胞が劣化し頭が痛くなり、発狂した後、何かしらの突然変異を起こして、この世界に適応出来る瞑想装置というのに変化するのだな」





田村に歩調を合わせつつ、僕は一つため息をつき言った。





「俺も頭が痛いが、これがくせ者なんだな。俺は瞑想装置になんかなりたくはないぞ」





歩きを止め、肩で息をしながら、田村が言った。





「だが瞑想装置になれば、不死身の身体を手に入れる事が出来るじゃないか?」





僕は顔をしかめ否定した。





「でも発狂してしまうではないか。自分が自分でなくなるのなんて、俺は絶対に嫌だ」





田村が力無く笑い言った。





「お前は永遠の命よりも、人間の尊厳を取るのか?」





僕は頷き答えた。





「俺はそう思うが、田村お前はどうだ?」





激しく咳込んだ後田村が言った。





「俺もお前と同じさ。発狂して友達を失う位ならば死んだ方が増しだ」」

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