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瞑想世界268
早く死んじまえ馬鹿息子と、母さんは怒鳴った。
通信瞑想を遮断し、僕はドアを開き実家に入った。
その僕にいきなり母さんが小言を言って来た。
「又朝帰りか。あんたという子は酒を飲む為に、大学入ったの。母さんあんたをそんな風に育てた覚えは無いよ。第一人は不死身じゃないのだから、毎日煙草ばかり吸って、酒ばかり飲んでいたら早死にしちまうよ。あんたという子は、そんな事も分からないの。何の為に大学入ったのよ。まったくもう!」
僕はいつものように苦笑いを浮かべてから弁解した。
「母さん、友達と酒飲むのも付き合いの内なんだよ。分かってくれよ」
母さんは引かない。
「あんた、友達が死んだらあんたも死ぬのか?!」
僕は怯みつつ弁解を続ける。
「いや、死にはしないけれどもさ。好きなものは止められないのも事実だと思うわけよ」
「親より先に死ぬ子供は一番の親不孝なんだ。そんな事も分からないのか、あんたという子は!」
勢いに押され、一歩後退してから僕は言った。
「母さん、俺の事がそんなに心配か?」
母さんが怒鳴った。
「心配なものか。早く死んじまえ、馬鹿息子!」




