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瞑想世界26

動物の息吹が何も無い死の世界だと、田村は言った。

方向感覚が狂い、僕らは道に迷った。





同じ林道をぐるぐると回っている。





迷路だ。





重い身体を引きずるように歩きながら、僕は田村に尋ねた。





「目印になる灯台も見えないし、この迷路どうやって突破するのだ?!」






田村が座り込み息をついてから言った。





「何か目印になるようなものがあれば、それを各所ポイントに置いて、迷路を突破するしかあるまい。お前何か無いか?」





僕はポケットティッシュを出して、広告部分の紙切れを引きちぎり、林道の脇に置き、石ころを載せた。






「これを各ポイントに置けばいいだろう。しかし成実ちゃん、いないな」





田村がかったるそうに立ち上がり、言った。




「成実ちゃんどころでは無いだろう。この迷路を突破しないと、身体はどんどん重くなるし、おだぶつ間違いなしだ」





僕は引き攣るように一声笑い言った。





「その通りだな。俺は何だか頭も痛くなって来たし」





田村がしみじみと言った。





「この空間は、動物の細胞を劣化させて行く効果をもたらすのだろうな。生命の息吹が何も無い死の世界だ」

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