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瞑想世界259
女としての私の誇りなのですと、成美ちゃんは言った。
田村が無情に言い切る。
「成美ちゃん、あなたと村瀬の仲は、言わば永劫に結ばれないものならば、諦めるのも手だと思うがな。どうだろう?」
成美ちゃんが答える。
「私は私である限り、村瀬さんを愛し続けたいのです。それしかありません」
田村が言う。
「永遠の片思いではないか。そんなので切なくないのか?」
「私が良ければ、それで良いのです。村瀬さんが傍にいてくれればそれで良いのです」
「だが村瀬は村瀬であって村瀬ではないではないか?」
一息つき成美ちゃん言った。
「私は私の愛を信じたい。それが人間ひいては女としての私の誇りなのです」




