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瞑想世界257
多分と、田村が言った。
田村に成美ちゃんが質問する。
「肉体から離れて、魂になりカオスの坩堝に入り、カオスに殺されてしまえば、絶対死を迎え、自我は崩壊してカオスの一部になってしまうのですよね?」
田村が答える。
「そうなる」
成美ちゃんが続ける。
「カオスの坩堝は増殖し、多次元宇宙の中に騙し絵さながらにパラレルワールド的に無数に点在しているという事ですね?」
「そうだ」
成美ちゃんが論理を進める。
「絶対死を迎えない条件は、瞑想装置に破壊されるか、瞑想装置への進化を遂げる事ですね?」
「そうだ」
「私のように瞑想装置に破壊され無になった場合、自我を保ったまま瞑想装置になる事も、無のままでいる事を選択する事は可能なのですか?」
田村が明言する。
「可能だと思う」
成美ちゃんが言う。
「その場合は今の心理状態を永劫に保持出来るのですね?」
田村が答える。
「多分」




