瞑想世界250
いえ、好きだから許したのですと、成美ちゃんは言った。
無遠慮に田村が質問を重ねる。
「変な話し、男女の関係は当然有ったと思うのだが、それを話ししてくれないか?」
成美ちゃんが率直に答える。
「それは当然ありました。ただあの人は優しい反面、セックスには非常に冷酷だったのです?」
田村が不審がる。
「と言うと?」
成美ちゃんが悲しげに答える。
「余りにも身勝手なのです。隙さえあればどこでも押し倒して来て、レイプさながらの事が終わると、泣きながら謝る。それの繰り返しでした」
田村が言う。
「病的だな」
「そうです。あの人は病んでいました。でも泣くあの人を見ていると、私はあの人が余計愛しくなり、レイプまがいの性交にも耐えていたのです」
田村が感想を述べ立てる。
「俺の前で瞑想について激論するあいつは、男気があるだけで、そんな女々しい一面などおくびにも出さなかったがな」
成美ちゃんが言う。
「あの人は病んでいました。でも私はあの人のそんな側面も大好きだったのです」
田村が否定する。
「でもあいつは細やかで優しい分、異性にはモテたよな。いつも可愛い子と談笑していたものな」
成美ちゃんが言った。
「村瀬さんは誘われると断れないと言っていました。でも多分自分の異常とも言える性欲処理に使っていたと思います」
僕は尋ねた。
「それを成美ちゃんは許していたの。やきもち妬かなかったのかい?」
「可哀相な人だと思いました」
僕は喚いた。
「でも好きだったら、そんなの許せないよな、普通?!」
成美ちゃんが言った。
「いえ、好きだから許したのです」




