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瞑想世界25
皆共倒れになる可能性があるぞと、田村が言った。
それだけ言って村瀬が脱兎のごとく林道を逆戻りして行き、飛び込むように雑木林に紛れ込んでしまった。
「追うか?!」
僕の質問に田村が迅速に答える。
「いやあれは村瀬では無い。無駄だ。それよりも吊橋に戻って、とりあえず生還し、お前の石ころを探すべく、態勢を立て直そう」
僕は目くじらを立てて言った。
「成実ちゃんはどうするんだ?!」
田村が渋面を作り、答える。
「俺達が生還する事が先決だ。成実ちゃんは放置しよう」
田村の意見を僕は強く否定した。
「この状況の中、村瀬は成実ちゃんを獲物としてしか捉らえない。ならば成実ちゃんが殺される前に救出するしか無いじゃないか?!」
田村がおもむろに言う。
「そんな事したら、皆共倒れになる可能性があるぞ」
僕は断固言い切った。
「幸い成実ちゃんは吊橋の方に逃げて行った。ならばその成実ちゃんを追って救出するしか無い!」
田村が一度深呼吸してから頷いた。
「分かった」




