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瞑想世界249
人柄を見ると、成美ちゃんは言った。
ぶしつけな感じで田村が質問する。
「村瀬は何を契機に付き合うと言ったの?」
僕は堪らず田村を窘めた。
「おい、成美ちゃんの気持ちを逆なでするような言い方はするなよ?」
成美ちゃんが僕らをとりなす感じで答えた。
「いいんです。村瀬さんは俺は朝鮮人だけれども、それでも付き合うかと問い質され、私は構わない、付き合いますと言って、付き合い出したのです」
田村が畳み掛ける。
「成美ちゃん、あなたに朝鮮人に対する偏見差別感な無いのか?」
成美ちゃんが答える。
「朝鮮という国に対する不気味な恐怖感は確かにありますが、でもそれが個人単位となると、私は差別対象として考えた事はありません」
僕はすかさず二人の間に入る感じで言った。
「相手が日本人だろうが朝鮮人だろうが、その人の人柄を見るという事だね?」
成美ちゃんが答えた。
「そうです」




