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瞑想世界245
よそよそしいのと、僕は尋ねた。
僕は尋ねた。
「まるで村瀬と同じ姿をしているのに、何故村瀬じゃないと分かったんだい。成美ちゃん?」
「女の直感よね」
「と言うと?」
「私は無数とも言える異相の中で、様々な時間帯と様々な状況に活動している村瀬さんと出会ったわ。その中には駅で待ち合わせをして村瀬さんが遅れて来て、私が泣きべそをかいて村瀬さんを困らせたりの光景も有ったし。二人でドライブしてタイヤがパンクしてしまい、山奥で孤立して二人して困ったりとか。どれもこれも新鮮な驚きと、ときめき溢れるエピソードを積み重ねたのよ」
僕は言った。
「それは成美ちゃん、幸福な一時と言えるじゃないか。それが何故村瀬じゃないと分かったんだい?」
成美ちやんが答えた。
「うーん、何と言っていいのかしら。どの村瀬さんも心がそこに無いのを感じたのよ」
「よそよそしい?」
「その言葉通りだと思うわ」




