瞑想世界243
俺が成美ちゃんに異相から憑依したら、俺は肉体を持った幽霊になるのかと、僕は田村に尋ねた。
成美ちゃんが言った。
「私は異相で混乱し狂い、逆に異相での肉体感覚を明瞭なものにして、村瀬さんへの慕情に突き動かされる形で違う異相への位相転移を繰り返したの」
僕は尋ねた。
「つまり、成美ちゃんは村瀬への恋と言うか、慕情の力で多次元宇宙の壁を次々と抜けて行ったわけなのか?」
成美ちゃんが答えた。
「その通りだと思うわ。私は多次元宇宙の各狭間にいる無数の私に次元移動して行き、その意識を共有して、村瀬さんの面影を追い求めたのよ」
田村が言った。
「成美ちゃんの言葉の逆の意味での論理証明になる話しをするから二人とも聞いて欲しい。現実社会に成美ちゃんがいて、その成美ちゃんに異なる世界から全く同じ成美ちやんが憑依したとしても、そこには同一性だけがあり、違和感は無いと思うんだ。その関係が肉体と魂のあるがままの関連性、リアルな意味での存在証明となり、そのまま多次元宇宙に成美ちゃんと意識を共有した成美ちゃんが連鎖的に無数にいると考えればよいと俺は思うんだ」
僕は尋ねた。
「そこで、もし仮に俺の魂が成美ちゃんに憑依したとしたら、俺は違う意識体だから幽霊というか肉体を持った異形の存在となるのか?」
田村が答える。
「仮定論だが、理屈ではそうなるわけだ」




