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瞑想世界24
そうだ。永遠の命を持つ瞑想装置だと、村瀬は言った。
唐突に男の笑い声が上がった。
僕と田村は揃って林道の奥を凝視する。
村瀬が忽然と現れた。
その村瀬がもう一度冷笑とも言える笑い声を上げ、僕ら二人に近寄って来ながら、話しをする。
「貴様らは誰だ。俺の縄張りに入って来た以上死ぬのは覚悟の事なのだろうな」
僕は反射的に叫んだ。
「村瀬、何を言っているんだ。お前は俺を助ける為に、命の石ころを探し出す為にここにいるのだろう!」
目を吊り上げ、村瀬が残忍な感じで微笑み答えた。
「ふん、何をほざいているんだ。貴様らなど殺すのはたやすいが、貴様らはどうせ衰弱して死んで行く身。それを高見の見物としよう」
田村が喚いた。
「村瀬!」
村瀬が涼しい顔付きをして言った。
「俺は村瀬という名前では無い。精工な瞑想装置と呼んでくれないか」
僕は喚いた。
「瞑想装置?!」
村瀬が不気味に微笑み言った。
「そうだ。永遠の命を持つ瞑想装置だ」




