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瞑想世界230
冒してはならぬ領域を冒した僕らとは?
宇宙全体であり、同時に小さな石ころでもある複数としての単数存在瞑想装置は、己の矮小なアガティスの石ころを蹴り上げ、複数領域の世界を滅亡に追い込んでも、単一の世界で生き続け、複合世界を再生産する永遠なる存在として蔓延している。
無機質に己を殺し、再生産する宇宙こそが、多次元宇宙の唯々ならば、複数としての単数存在である瞑想装置こそが多次元宇宙そのものの存在と言えよう。
それは冒す事の出来ない不可視、不可知の世界なのだ。
畏れる事をせず、その領域に足を踏み入れた人間存在が僕らならば、今遭遇するこの過酷な現実は相応のものと言えよう。
冒してはならぬ領域を僕らは土足で踏みにじり、その顛末を迎えているに過ぎないのだ。
ならば。
潔く死ねば良いのだが、愚かな人間である僕らはひたすら悪あがきをしている。
それが、とりも直さず苦しみ悶えながら直面している今の状況と言えよう。
僕はそう考えた。




