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瞑想世界23

そんな暇は無いのだと、田村は言った。

田村が続ける。





「この世界では俺達は全く無力なんだ。成実ちゃんどころではなく、このまま行けば、俺とお前は間違いなく死ぬぞ。死ぬ前に村瀬を救出しなければ、命懸けでこの世界に来た意味が無いではないか」





僕はしきりに頷いてから言った。





「瞑想が効かない以上俺達は確かに無力だ。身体も徐々に蝕まれて行き死んでしまうのもお前の言葉通りだと思う。ならば田村もし村瀬が見付からなかった場合、俺達に助かる方法はあるのか?」





田村がたやすく答えた。





「あの吊橋からジャンプして戻るしか無いんだ」





「でも戻れる確実性は無いのだろう?」




「無い。だが生還の道はそれしか無いんだ」





泣きたくなる気持ちを抑えて、僕は尋ねた。




「成実ちゃんは一体どうなってしまったんだ?」




「身体を蝕まれて狂ってしまったんだ。もうあの女は成実ちゃんではない。だから助けても無駄なんだ」





僕は生唾を飲み込み言った。





「成実ちゃんを助ける為には、やはりあの吊橋からジャンプさせるしか無いんだな」





田村が険しい表情を作り、言い切る。





「そんな暇は無いのだ!」

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