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瞑想世界223

僕はひたすら涙をそそられる。

成美ちゃんは自分の執念とも呼べる恋心、慕情を頼りにして、村瀬たる瞑想装置に通信瞑想を繰り返し、瞑想装置の何たるかを識ったに違いない。





その通信瞑想は命懸けのものとなり、当たり前のごとく無機質に洞察拒否をする通信瞑想の防御抵抗をかい潜り、最深部に至ったのだ。




そこで成美ちゃんは、苦渋の果てに女性の幸福を棄てる至ったと推察出来る。





その苦渋の選択が涙をそそるのだ。





辛い選択の後に、成美ちゃんは自分が無に帰した後も瞑想装置に寄り添う術を知るに至ったのだ。




人間存在として孤独と不安を痛感しながらも、女を捨てる塗炭の苦しみを経て、瞑想装置との同一化への道のりを模索したのだ。




そして成美ちゃんは僕らの追求をかなぐり捨てて、瞑想装置との同一化を図っているのが現在の状態と言えよう。




破壊され無化し、瞑想装置に寄り添う事の出来る幸福を成美ちゃんは知るに及んだのだ。




女として孤独と不安に耐えながらの、その選択は辛過ぎたに違いない。





その哀しみを想うと、僕は涙をそそられる。

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