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瞑想世界219
今現在進行している過酷な現実の意味は?
僕らが唱える愛や友情は、冷酷な偽善や騙し合いよりも純粋で高潔に見える。
だがそれは人間尺度のあくまでも比較論にしか過ぎない。
その価値観のごり押しは複数としての単数存在、瞑想装置には通用しない。
それならばあくことの無い争いや殺戮の連鎖的イメージの意味はと、自分に問うのだが。
分からない。
ただ瞑想装置たる村瀬や、カオスの坩堝にとって、人間の争いや闘う事が何かしらの条件、必要項目なのは予測が立てられる。
その連鎖が滅亡の時を迎える条件ならば、僕らの愛や友情はどんな意味をなすのだ?
人間存在の本能とも言える破壊や殺戮のイメージに反する行いをするなというメッセージなのか?
…分からない。
全て謎、あるがままにあり、僕は殺さなければ殺される、そんな状況に追い込まれている。
それが今現在進行している、厳然と横たわる現実なのだ。




