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瞑想世界217
体力が失せて行く。
息を詰めている僕の身体が衰弱して行く。
人間の脆さが顔を出し、それを制御出来ない。
頭が痛くなり、脂汗が滲む。
このままでは動けなくなるのは時間の問題だ。
動けなくなれば、時を待たずして僕は田村の餌食になるだろう。
田村に殺されようとも、このまま悶絶死しようとも死ぬ事には変わりは無い。
絶対死の事を想像するが、そんなのは想像を絶する世界の話しなので、僕は考えるのを中断した。
息を調え、瞑想装置もどきへの変換を待つが訪れない。
僕は声を立てずに嘆息した。
いずれにしても持久戦に打ち勝つには、体力勝負となるのだが、その体力が根こそぎなくなろうとするのを、僕はどうする事も出来ないでいる。




