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瞑想世界190
村瀬に対する慕情が己を殺そうとする時。
ふと成美ちゃんの心が僕の心に重なった。
村瀬に対する狂おしい慕情。
そして僕と田村に対する殺意。
その殺意が僕自身を抹殺しようとする衝動に僕はかられる。
僕はそれを田村に話した。
「俺の中の成美ちゃんが俺を殺そうとしているぞ。どうしたらいい?」
田村が言う。
「成美ちゃんに心を乗っ取られないようにしろ」
田村の言葉が惹起となり、逆に成美ちゃんの慕情が僕の心を加速度的に占有して行く。
僕は言った。
「駄目だ。村瀬を慕う成美ちゃんの気持ちが心一杯に広がって行くぞ。それに準じて俺は死にたくなる気持ちで一杯だ。どうしたらいい?」
田村が立ち止まり、僕にいきなり平手打ちをかました。
僕は頬を押さえ憎悪たぎる目付きをして喚いた。
「貴様を殺す!」




